今日の雑感(2020.5.1)

この2月に〈夢の王国〉-左手ピアノのための4つのプレリュード    を完成しました。左手のためのピアノ曲は古くはブラームスによるバッハの〈シャコンヌ〉の編曲、その後有名なところではヴィトゲンシュタインの委嘱によるラヴェルの〈左手のためのコンチェルト〉など。
今回、僕は旧知の舘野泉さんとの関わりから左手ピアノの曲を書くことになりました。もちろん初めてのことです。
取り組んでみて不思議に思ったことがあります。普通、楽案を探ったり確かめたりするのに両手を使います。が、この場合、左手しか使えません。すると「左手の思考」とも言うべき領域に脳が追い込まれます。
これが実に不器用な感じ! いわば「左手の思考 」で、これはなかなかに不自由なのです。言いたいことがあるのに、すらすらと言えないもどかしさがあるのです。
「両手の思考」から脱した時にやっと作曲がなめらかに進みました。そう、左手で生きて行けば良い、そんな感覚に達したのです。
ついでに記しておくと、左手ピアノの曲は少なからずあるのですが、右手ピアノの曲は寡聞にして知りません。
ちなみに舘野さんの演奏会は11月10日に予定されています。