研究社『羅和辞典』
思えばいろんな種類の本に出会ってきたけど、なにはともあれ辞書の類は貴重で、決して捨てる気にはならない。
僕は曲のタイトルをラテン語で付けることが少なくないので、この研究社の鑼和辞典には結構お世話になっています。それでも分からない時は楽理系の先生に教わります。なにせ格変化が六つもあるので、時々訳がわからなくなるのです。その先生も「明日まで待ってください。調べておきます」といったことも(笑)。
ラテン語が得意な人々は、と思うに、まずはバチカン市国の方々、次に大学のラテン語教授、その次に意外かもしれませんが、植物学者の方々。植物の正式名称はすべてラテン語。新しい植物の発見者はそれを命名する権利を得ます。ただし全てをラテン語でかかなければならない(と聞きました)。しかし今や未知の植物はありそうにないですね。
ある作家が「道の片隅に名も無き花がひっそりと咲いていた」と記したのを読んで、かの牧野富太郎博士が激怒されたそうです。「名も無き花なぞ無いのだ。名も知らぬ花と書け!」。