そんなオソロシいCD(笑)が現存します。
1984年の3月、「田中瑤子の1・2・3」というコンサートが開かれました。
「1・2・3」とは、1.一人のピアニスト、2.二台のピアノ、3.三人の作曲家、という意味で、このキャッチ・コピーは谷川俊太郎によるものです。
三人はピアノの名手である林光・三善晃、迷手である新実徳英。前半はそれぞれのソロ曲を田中瑤子が演奏、後半は田中瑤子と三人の作曲家が2台4手連弾というなんとも贅沢なコンサート。
その時、僕は37歳、約40年前のことです。
僕の連弾曲は<夕闇の中>(全音刊)という曲で、4章の構成。出番になってステージに上がると、会場の都市センターホールは満席で、後ろの方には立ち見のお客さんもいらっしゃる。熱気でむんむんしている。ところが僕の方は一瞬にしてサーッと血の気が引いた(笑)。後にも先にもこんな経験はただ一度。
第2曲の上行スケールの2ヵ所、「落ちた」というか「指がためらった」というか、ともかく弾けなかったのが、これはCDを聴いてもわからない(笑)。
まずまず以上の演奏に聴こえるが、それは田中瑤子「力」のおかげ。
聴いて楽しいCDになっています。CDも譜面も販売中、とこれは宣伝です。

