「民主主義は人間不信が前提である」(岸田秀)
筆者のフランスのデパートでの体験。突然、店員たちが出入り口にたち、帰ってゆく客全員の身体検査をはじめた。万引きの検査→客たちは進んで協力→筆者は不快な気分→客は万引きをするという前提→疑うということを隠さない→民主主義が成り立つには権力者が権力を利用して悪事を働くのではないかと人々が常に警戒し疑っていることが必要。そして冒頭の言葉につながる。(『司馬サンの大阪弁』97年版ベスト・エッセイ集、文春文庫、「人間不信と民主主義」)
20年以上前のエッセイだが、これは今にも当てはまる。権力者の私心による「悪事」の種が尽きないのに呆れるばかりですね。