日本歌曲協会
第十五回記念 邦楽器とともに

日本歌曲協会主催

第十五回記念 邦楽器とともに
      誕生百年!十七絃の響きにのせて

このような演奏会が十月二十九日東京文化会館小ホールにて開催された。
密を避け、客席は半分強の使用。それでも生の音楽を求めるお客様の気持ちが溢れ、満席のような熱気に包まれた。

僕の初演曲は謡曲の「敦盛」をもとにした
  敦盛・直実
   -テノール、バリトン、箏、十七絃、篠笛のために-
というもの。 
テキスト:和合亮一 作曲:新実徳英 テノール:青柳素晴 バリトン:福嶋勲
箏:深海さとみ 十七絃:福永千恵子 篠笛:藤舎推峰

演奏者の皆さんの多大な共感と御努力・実力で幽玄の世界が生まれ変わる素晴らしい初演となった。第2回の練習のあと演出面を受け持ってくださる大島尚志さんから次のようなメールをいただいて嬉しくなった。

昨日の「敦盛・直実」は良い稽古が出来ました。音楽が決まって来ると、ドラマが見えて来ますね。
直実の抱える戦とは言え、人を殺めることへの葛藤。敦盛の抱く、今日の被害者は、昨日の加害者でもある成仏できぬ苦悩。
その二人が真に出会い、尊厳と敬意と友情によって在るべき姿へと導き合っていく姿。
わずか20分間ではありますが、緊張と心の解放を体現できる時間です。
邦楽器と男性2人の声の組み合わせが良いですね。
この精神世界は、世界標準に叶うと感じました。
次回、22日17時からの稽古にも参加させて頂きます。
楽しみです🎵
大島尚志

演出家の読みどおりの作品に仕上がったのは、関係した全ての方々の思いの結実とであり、やはり出会いということの大切さをしみじみと感じるのだった。リモートではなし得ないことなのである。

人生に失敗は付き物だが、こうして佳きもの佳き関係が一つづつ積みあがって行くのは何事にも替えがたく、ありがたいことと改めて思った次第。

次なる初演は舘野泉ピアノ・リサイタルでの<夢の王国-左手ピアノのための四つのプレリュード>、11/10 オペラシティ19時開演である。が、実は舘野さんのツアーは10/24 福岡、10/26 札幌、11/1 神奈川、11/7 南相馬、と続き、オペラシティまでに4回演奏されていることになる。84歳にしてこの元気と意欲、大いに範とし、励んでいく力を頂いている。。ここにも貴重な出会い!である。