その3日目は久留米での第27回賢順記念全国箏曲コンクールの審査。実にいろいろな曲と演奏を聴いたが、中でも断トツに佳いと思ったのが大川義秋君の自作の演奏。まさに「自分の音楽」そのもので、実にセンスィティヴな、風格を感じさせる演奏だった。演奏も作曲も独学らしい。豊かな才能の持ち主。今後が楽しみな人だ。歩み続けて欲しい。
審査基準の設定が僕にとっては難しかった。純粋な箏曲、歌が中心のもの、古典曲、現代曲、などが混在していて、佳きものを佳しという視点で採点するほかなかった。このコンクールがどこに向かうのかわからないが、ある程度の部門分けがいずれ必要になるかもしれない。
一音楽人として、このコンクールのより良い方向への発展を祈っている。