ヨーロッパ一人旅③
ボキューズのレストラン

(30代中頃、1977年の旅行記です。①と②は下のリンクからどうぞ)
ヨーロッパ一人旅①  ヨーロッパ一人旅②

ヴェネチアの次、最後の訪問地はリヨン。フランクフルトからウィーンと同じくらいの長距離列車。ここまで間違いもなく旅しているのは不思議といえば不思議。意外とオレもしっかりしているな(笑)。ところが最後に大ミスが待ち構えているのです。
リヨンに着いたのはたしか夜の9時くらい。行き当たりばったりのホテルにチェックイン。近所のレストランをフロントで紹介してもらい早速出かける。駅弁というものがなく、腹ペコだったのです。
星は一つもなく、当然お手頃な値段。plat du jour 本日の定食とグラスワインを注文。このメシがなかなかに結構なもので、さすがリヨン!とつぶやいた。ってのはパリは東京、リヨンは大阪、なんて認識だったのです。当たっているのか大外れなのか良くわからない。
さて、たぶん到着後の翌翌日、意を決して(笑)ポール・ボキューズのレストランにのりこむ。お昼です。タクシーが着くと金モールをぶら下げた黒人のウェイターが恭しくドアを開けてくれる。これは予想外だったなぁ。思わずポケットにあった20フラン硬貨をチップで上げてしまった。ちょっと多い?

ボキューズのレストランで覚えているのは以下の4つのことだけ。
★ワイン白赤のフルボトルを飲み干し、さらにキルシュを二杯飲んだ。
★スズキのパイ皮切包みを頼んだらギャルソンが皮を外して持っていってしまった。ちょっと食べてみたかったのです。
★デザートの色とりどりのお菓子がワゴンで運ばれてきて食べ放題状態。2つだけ選んだら「たったそれだけで良いのか」と訊かれた。
★食事が終わり、je suis tres contentとかノタマッテいたら(そりゃそうでしょう)ボキューズその人がやってきて、コック帽を取って深々と挨拶してくれたので、tout et tres bonとかなんとか、アヤシゲなフランス語で返事した。

大ミスはその翌日、ジュネーブに戻る時にやらかしました。(続く)