松原混声合唱団第24回演奏会
2022年7月17日

松原混声合唱団第24回演奏会
2022年7月17日17時開演、オペラシティ大ホール

定期演奏会ではなく演奏会、というのがいかにもこの団らしい。というのはオヤジこと関屋晋先生の頃に端を発するのだが、ある時期からオケとの共演が多くなり、定期にしたくてもできない、という事情があったと聞いている。団の歴史は古いのに、24回という数字もそこから来るのだろう。
さて、今回は4年ぶりの演奏会で、かなり盛り沢山。ブラームス<モテット>、信長<初心のうた>、ストラヴィンスキー<詩篇交響曲>、間宮<鳥獣戯画>、新実<空のふもと 風の中>の5ステージ。それぞれに全力を尽くした素晴らしい演奏で、感心、感服、感動の一夜だった。
モテットは合唱の源流を踏まえる、ということだろうか。いわゆる演奏効果のある曲ではないが、真摯な取り組みの中にブラームスの手の込んだ音像が立ち上がってくる。
信長作品はその初期からの確かさが聴こえる。
ストラヴィンスキーの凄腕は今さら言うまでもない。職人+天才の領域。
間宮作品は土俗・民俗の、大地から響きわたる歌だ。
僕の<空のふもと 風の中>は難易度で言えば易しい曲。が、「音楽」にするのはそれほど簡単ではない。随所に「歌」が要求される。一ヶ月前の練習とは見違えるような「歌」が聴けて大変に嬉しかった。マッシーの進境著しい、と呟くのでした。

木島始(信長作品)の歌う民衆の心ー大地へのつながり、ロシアの土の匂い、日本の風土、沖縄と東北をつなぎ過去から未来へと繋ぐ、そんな流れを感じるプログラムの意義をあらためて思う。