<荒地>のレコーディング終了しました❗-その1)

①<荒地 Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ> -ピアノと打楽器のために
②<荒地 Ⅳ-Ⅴ> -ピアノと打楽器のために

①は2023年12月の「全音四人組コンサート」にて初演。②は今回のレコーディングのために作曲。これが初演となる。ともあれ、通して演奏したら27~8分の大作となった。録音には3日間を要した(相模湖交流センター)。打楽器奏者はドラム・セットとヴィブラフォン(+金属打楽器)の間を往き来せねばならず、距離は短いながらもその都度別なパート譜を見なければならない。よほどの記憶力と反射神経がない限り、かつ、この曲だけのために1ヶ月練習が取れなければ、Ⅰ章からⅤ章までを連続演奏するのは不可能と思われる。今回のレコーディングでこの曲を通して聴ける音源ができたのは、実に快挙である。

T. S. エリオットの『荒地』はⅠ~Ⅴの5章からなる400行余りの長編詩。
この詩の「イメージ」による作曲を思いたったのは、冒頭部の「四月は残酷な季節~リラの~」という詩句に出会ってハッとしたからだ。谷川雁との共作<二十歳>に「うらぶれた四月~リラの香りする~」という歌詞は『荒地』からきたのだ、と気づいたのだった。
曲については、その2)に記すことにする。

相模湖、及び収録終了後(8月15日17時30分)の写真。左は中川俊郎さん、右は上野信一さん。