真昼の妄言①

ベルクソン 純粋持続
音楽 現在の状態と過去の状態が相互に浸透して一つの有機的全体に統合される。
エリオット 歴史的感覚
現在の文学が過去の文学と歴史の中で相互に浸透し作り上げる有機的全体を想定、これを伝統と呼ぶ。

この両者にはアナロジーがある。
さらに言えば、ベルクソンの考えを音楽史的感覚にも敷衍できる。我々の持つ伝統の意識である。
「伝統を壊して前進する」と宣言したりする。それができるのは、すなわち自らの内に伝統があるからだ。
新しい音楽の内に「古典性」がなければならない、と僕が考えるのは、このあたりのことと密接に関係する。