今日の雑感(2020.6.28)

久しく「積んどくDVD」と化していた〈エレクトラ〉と〈ナクソスのアリアドネ〉に目を通した。観劇した、というほどの見方ではなく、歌を聴きつつ字幕を見つつ、かつスコアをめくる、というとても慌ただしい見方。いずれもリヒャルト・シュトラウス作。
僕が作品から受け取った情報は全体の1/10に満たないだろうけど、それでも作品の大きさ凄さ面白さが伝わってくる。これはたぶんスゴく大事なことだろう。1/10しかわからなくても楽しめる。名作の条件かもしれない。
いつもながら感じるのは、愛憎の濃さ、その表現の執拗と言って良いくらいの徹底ぶり。それは〈サロメ〉も〈薔薇の騎士〉も〈影のない女〉も同様。

そのような濃さは日本の文芸にあるかと『源氏物語』や、近松ものを思うのだが、どうも何かしら違うように思われる。

いま謡曲の「敦盛」を素材にした〈敦盛・直実〉という二重唱歌曲を作曲している。敦盛の首を取ったのが熊谷直実。が、敦盛の霊と直実のやり取りは一瞬激しいやり取りがあるとはいうものの、全体はさらさらと流れる。やはり先に記した「濃さ」とは異なる空間。感情の激しいぶつかりこそ音楽のドラマツルギーを作り出すのだが、これを実体化するのに多少の苦労を味わっている。

ドクドクとサラサラ、なにやら悩ましい狭間にいるような気がします。