田中瑤子の1・2・3 ―その➀

一人のピアニスト、二台のピアノ、三人の作曲家(新実徳英、林 光、三善 晃)による演奏会。コピーは谷川俊太郎。
1984年3月26日、都市センターホールで開催。
三人の作曲家はそれぞれ二台ピアノの新作を書き、演奏会では瑤子さんの相棒としてピアノを弾く。
林・三善の両先生はそれぞれにピアノの名手。対する新実は高校生になって初めてピアノに触れ、東大三年生の時に藝大受験の準備で初めてハノンのスケールをさらい「右手と左手の指換えの位置が違うのか~⁉️」と嘆いたという輩なのである。
両先生と同じステージでピアノを弾くなど、とんでもなく畏れ多いこと❗
な~んてことは分かり切っているのに、引き受けてしまうのが僕の怖いもの知らず。だって余りに楽しそうな企画ではありませんか。僕の新曲は<夕闇の中>というもの。
さて、本番で人生最大の後悔が待っていた。ステージに上がってみるとホールは満員御礼状態。立ち見の方々が後ろの方にいらっしゃる。
まじに「サーッと血が引く音が聞こえた」という最初で最後(今のところ)の経験をしました。
(続く)