<室内協奏曲Ⅲ―Around Nothing>について


副題に西村朗のイニシャルA.N.を刻んだのだが、この曲はレクイエムでも追悼曲でもない。いわば早逝した彼への「弔い合戦」の意気込みを記しておきたかったのだ。
私を突き動かしていたのは漢字の碩学・白川静氏の次のような言葉である。「秩序をこえた狂気とは、神に近づき、神とともにあることの証しであり、またその限られた場における祭祀者の特権である」、「人は神によりて遊ぶことができる」。
私はその狂気に向かいたい、その特権を手にしたいと願ったのだった。そして神遊び。
その成果については受け手・聴き手の皆様方に判断を委ねる。が、私としてはこれまでの自分に一線を画すことができたように思っている。


四人組 Groupe des Quatre×東京シンフォニエッタTokyo Sinfonietta
2024年12月11日(水) 19:00開演
東京文化会館小ホール

新実徳英作品:
・室内協奏曲Ⅲ Around Nothing-無のまわりで-(世界初演)

主催者Webサイト:【演奏会】12/11(水)「四人組×東京シンフォニエッタ」|全音楽譜出版社コーポレートサイト