新潟のNコン②

8月11日12日と新潟県の中学高校のNコンの審査に伺った。マスク、無観客ではあったが、仲間たちとコンクールに参加できた子どもたちはどれほどに嬉しかったことだろうと思いを巡らせた。
さて、一生懸命、力一杯の演奏は悦ばしいことだが、一音楽家一作曲家から見ると、その方向性にいつも疑問を感じてしまう。
①声は成長の途中にあるので無理をさせてはいけない。無理をすれば上のA. B. H.あたり、あるいはCだって出るかもしれないが、それを美しいとか意味深いとか勘違いするのは良くない。
②歌う曲はなんだってカッコ良ければ良いのだが、できれば内容がしっかりしたものが望ましい。古典性、有機性、といったこと。
③先生方は間違っても金賞目指す、をモチベーションにしないでいただきたい。勝つことを目的にすると子どもたちの心が汚れるのです。教育ではなくなってしまう。
④いつまでも音楽を愛する子どもたちを育てていただきたい、と先生方に願っています。

などと勝手な心配を記しましたが、当事者の皆さんは良くお分かりのことかもしれません。
ノヴァーリスが言った「芸術は人間精神の高みに昇るためのものだ」、を忘れないでいただきたい。
音楽は娯楽であるけれど、同時にそれを大きく越えた存在であることをなんとか子どもたちに伝えたいと願っているのです。