西村朗の思い出③

1月8日、品川駅発7時46分の新幹線で大阪へ向かう。彼の納骨式が11時から営まれる。こんなに朝早くの新幹線に乗るのはたぶん初めてのこと。富士山が美しい。

思えば彼は10年程前から自らの死を本気で考えていた。宗旨をある禅宗に変えた、お墓を購入した、遺言状を記した、等と話してくれたことがある。酒席での話だからぼんやりとしか聞いていないのだが、今になって彼は今日(こんにち)を予測し、覚悟もしていたと分かる。
ただし癌ではなく、心臓を患って1ヶ月ほど入院したことがあるのでそれを意識していたのだろう。
死の準備、これも彼が身を持って教えてくれたことの一つとなった。
僕はと言えば、代々の宗旨、代々の墓でいいかな、遺言状はそのうちに等、煮え切らないままである。

下は復路、夕刻の富士。光の魔術ですね。

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