本の話 ④ 『ユリシーズ』

『ユリシーズ』文庫本全4巻

J.ジョイス著/丸谷才一、氷川玲二、高松雄一訳/集英社文庫

この難解な長編を読むと決意したものの、どのように読んだら良いのか、果たして読み切れるのか、理解できるのか、など幾多のクエスチョンに囲まれた。
これはもう開き直るしかないと決めて、毎晩30分だけジョイスに付き合うことにした。こうなると俄然気楽である。毎夜30分だけジョイス・ワールドに遊ぶ。この時期にピッタリかもしれない。なに、中身はどうせ良く分からないのだ。
そのような会話、プロットをよみつつ、げんなりするほどの註を参照しつつ、とつとつと読み進んでいく。ほとんどマゾ的な快楽?
中間報告は可能ですが、最終的な読後感はたぶんご報告できないままになることでしょう。
こんな本があっても良いでしょう。2年ほど前に1時間かかる弦楽4重奏を書いて演奏家と聴衆をぐったりさせたい、と思ったことがあるのですが、今また再びそのような思いが頭をもたげてきました。危険思想(笑)。