今日の雑感(2020.8.13)

混声合唱とピアノのための
さすらふ魂の歌-兵士たちに捧ぐ
(コーロ カロス委嘱作品、2019年10月27日初演)

『昭和萬葉集』に収められた先の大戦に関する和歌から約40篇を選び作曲。冒頭には『萬葉集』の防人の歌を使った。なんとこの時代にすでに徴兵制度があり、徴兵される夫、その妻、父、母にそれぞれの悲しみ、辛さが歌われている。第2章には第1次大戦で英国の兵士として徴兵された詩人ウィリアム・オーウェンの「家畜のごとく死んでいく兵士たちに弔いの鐘なぞいらない」を引用した。全体は6章からなり、初演は30分を越えた。栗山文昭=コーロ・カロスの演奏は時に壮絶、時に悲しみを深く抉る、究極の表現となり、僕の胸にとめどなく溢れるものがあった。

日本軍兵士の戦士者230万人のうち約140万人は餓死や病死と言われている。彼らの無念たるやいかばかりかと想像する時、胸をかきむしられるような思いにかられる。覚悟せざるを得なく覚悟して戦場に向かった彼ら。が、戦う前に餓死、病死。ほかにも無念の死を受け入れざるを得なかった兵士たち。彼らの魂は宙空をさまよっているのだ。
彼らの魂に鎮魂の、怒りの、悲しみの譜を捧げたいと思った。

写真は7月30日付け信濃毎日新聞のインタビュー記事。「表現者と戦争」というシリーズは貴重な企画。今後も応援したいと思っています。