いのちと愛の三部作

と呼ぶしかないような3作をこの三年間でものすることになった。意図した訳ではなく、結果。もっとも歳をとればこのようなテーマに行き着くのは自然な流れかもしれない。

①さまよふ魂のうた―兵士たちに捧ぐ
これはかねてより栗山文昭さんよりご提案いただいていた『昭和萬葉集』から太平洋戦争に関わる歌を合唱化するという企画。50くらいの歌を選んで構成。30分を超える作品となりました。2019年作曲。栗山文昭=寺嶋陸也=委嘱初演コーロ・カロスの壮絶な初演となりました。

②生命(いのち)のうた
これも33分の作品となりました。ミューザ川崎と團委員会の委嘱作品。秋山和慶先生のご発案で始まった企画。第九の前に演奏する曲、というコンセプトを織り込んでいる。オリジナルは2管編成のオケと混声合唱。これも2019年作曲。コロナのおかげで2020年も2021年も延期となり、どうやら初演は2023年になりそう。練習に必要ということもあり、連弾版を作成してあったが、その版を使ってこの7月11日、大久保混声合唱団が見事な初演を果たしてくれた。中村拓紀指揮、ピアノ川井敬子、村田智佳子。

③愛のうた―光太郎・智恵子
男声合唱、FL.CL.弦楽合奏のために
ご存知『智恵子抄』から5篇を選び、間奏曲を挿入し、これも30数分の曲となった。初演は年明けの1月10日に予定されている。慶応ワグネルソサエティ男声合唱団委嘱、指揮佐藤正浩。
これも練習用の必要もあって、本番にも使えるピアノ連弾版を作成。これはつい先頃、7月下旬に書き上げたところで、実際の音は聴いていない。が、連弾版を正浩くんと僕の下手ピアノで試し弾きしてみたところ「これはイケルゾ❗」という実感があった。弦オケ版のスコアは7月25日に完成。

①は音友から出版。②③の連弾版はいずれ全音から出版となります。
皆さんが歌って下さる日がくる❗と待ち望んでいます。