詩人の和合亮一さんと組んで校歌を5曲書いてきたが、昨年末から今年にかけてさらに3曲の校歌を作曲することになった。
いくつかの制約がある。それは市民歌や社歌でも同様で、
① 歌いやすいこと。親しみやすいこと。
② 音域は下のCから上のD、つまりオクターブ+1音にとどめること。
③ 程よい長さ。
②が意外と難しいのです。できればオクターブに収めたいのですが、どうしても1音はみだす。モーツァルトのA durの変奏曲のテーマはきっちり1オクターブに収まっています。天才の仕事です。
さて、歌詞を見ながら旋律を模索します。ここで言う旋律は、リズムと和声を内包するものです。かつイントネーションをそのまま旋律形にするのではなく、そこに様々な変化技をもちこむ。そうすると旋律の可能性がかなり広がることに気付きました。これがなかなかに面白く、できる限り推敲を重ねます。すると当初思ってもいなかった旋律が生まれたりします。
ある翻訳家が「日本語は天才だ」と記していますが、妙なところで「そうですね」と頷くのです。