2022年回顧録(1)

2022年はなかなかに楽しく面白い、収穫のある一年だった。

①慶応大学ワグネルソサエティ男声合唱団による<愛のうた-光太郎・智恵子>-男声合唱、フルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために-の委嘱初演。東京芸術劇場
男声と器楽群の見事な融合と対比。自分にとって初めての編成、したがって初めての体験。震えるような空間を手にした。

②Nコン小学校の部の課題曲<とどいてますか>(谷川俊太郎作詩)の作曲と録音。その後、小学生チームのレッスン二回、神戸混声合唱団や東京混声合唱団にアドバイス、10月9日のNコン全国大会がハイライト。みんな素晴らし過ぎて審査に苦労した(笑)。

③<風神・雷神>5月13日14日.井上道義=新日フィル、林英哲(大太鼓)、石丸由香(オルガン)。(トリフォニーホールの杮落としでこの曲が初演された)。
ともかく凄い演奏‼️道義が「仕掛け」て、全てが燃え上がった。14日は極め付き。ステージに上がって道義さんとハイタッチ。
名残惜しんで紀尾井ホールに急ぐ。

④<涅槃寂静>(ねはんじゃくじょう)-箏とヴァイオリンのために-の委嘱初演。紀尾井ホール。
委嘱者石垣清美さんと澤和樹さんのヴァイオリン。曲のタイトルは「もはや何事にもとらわれない境地」を意味する仏教用語だが、その境地は想像上にあり、様々な苦悩煩悩を縫って曲は進んでいく。
編成といい内容といい、正反対の曲を同じ日のわずか1時間の時差での体験は全くの偶然だが、自身にとっては大変に面白く意義深い体験であった。

⑤<音のとびら>-女声合唱とピアノのために(作詩谷川俊太郎、舫の会委嘱作品、全音から出版)、
指揮岸信介、ピアノ法嶋晶子、合唱舫の会。8月23日東京文化会館。
7曲から成る組曲。岸先生は「新実節満載!」と大いに悦んでくださった。様々なベクトルがあり、いずれ自分振ってみたいな、と思いつつ、初演を楽しく聴かせていただいた。