『荒地』T. S. エリオット

エリオットの『荒地』のエクフラシス(音楽化)を目論んで解読中。自分の勝手なイメージに任せて作曲すれば良いのだが、やはり作品の内部にある程度入り込みたい。辞書と訳書を手がかりに原詩を読んでいく。
そこで気づくのだが、この詩は比喩の塊の連続ということだ。
Those are pearls that were his eyes.
という詩句に出くわす。
訳せば、それらは真珠で彼の眼だったんだ、となる。
主語述語の関係は正しく成り立っているが、この文の全体が比喩=メタファーなのである。
これが面白い!読み手、受け取り手はかなり勝手に想像を広げることができる。
エリオットの与えてくれた「ラビリンス」の中で僕はしばらく「空中散歩」を楽しませていただく。
久しぶりに手にした『レトリック感覚』(講談社刊)も「散歩」の友である。

 
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