バルトークの<中国の不思議な役人>はパントマイムのための管弦楽作品だが、まず台本からして不思議だ(ご確認あれ)。「性」そのものがテーマになっているのは<青髭侯の城>と共通するものがある。
管弦楽法はバルトークの技術をいかんなく発揮して凄い。が、僕はかなりグロテスクに感じる。ここには「狂気」が注入されている。
僕は<ソムニウム>(2021)、<魂舞ひ>(2022)で「狂気」の表出を目論んだが、今さらにして「共通項」に気づくのだった。
物語、つまり言葉の世界が音の世界に決定的な影響を持つ、これは普遍的な事実で、あらためて人は「ロゴス↔️パトス」の生き物と思いいたる。
詩→音楽の関係もなかなかに興味深い。
(続く)