フランスの現実はいまいち不明だが、リヴェリテ・エガリテ・フラタニテ(自由・平等・博愛)の精神を高く掲げての演出は懲りに凝って、「これでもか」と僕を感動の渦に放り込んだ。
世界中からアスリートが集まってきた、その彼ら彼女らを音楽・舞踏・美術の粋を尽くして迎え、祝福する。理想の「文武両道」がここにある。
オジサンはもう涙でウルウルである。オリンピック精神ここに有り、との宣言である。
ふと気付く。パリとウクライナは2500キロ。札幌と鹿児島の距離にほぼ等しい。
パリとパレスチナとの距離はその倍はない。
オリンピックの祭典と真逆の現実がここにある。この希望と絶望の間で僕たちに何ができるのだろう。できることがあるのだろうか。
マスメディアが金だ、銀だ、と喚くのが煩わしく感じられてならない。