4月11日日本福音ルーテル東京教会、尺八とオルガンのコンサート、19時開演。
<ロンターノC>の再再演。
以下に解説を記します。
尺八とオルガンのための<ロンターノ C>について
lontano「遠くで」、Cは「corvo=鹿」、つまり尺八本曲<鹿の遠音>が背景となっている。
原曲は尺八とピアノのための作品(飯野明日香委嘱)。
どちらも鍵盤楽器だがピアノ→オルガンの変化は劇的に異なる。ピアノは打弦と余韻の楽器、オルガンは持続音の楽器である。余韻ではない「実音」は強い持続力があり、音楽が質的に変化する。そして、尺八と管楽器の集合体であるオルガンは融和性が高い。どちらも「風=息」の楽器であり、溶けあうサウンドがピアノとは異なる音宇宙を作りだすのがまことに興味深い。曲は全11段の構成。
黒田・尺八vs大平・オルガンによる「オルガン版の再演」、「初演」とは異なるオルガンと空間で生まれる新たな成果が限りなく楽しみである。
新実徳英(作曲家)