【未聴的・既聴的宇宙の大展開】

街の衣のいちまい下の虹は蛇だ -2006
詩 野村喜和夫 曲 篠田昌伸

絶叫、絶唱、合唱、歌、語り…およそ声のできることが全て含まれているような、きわめて洗練され、緻密に計算された「ごった煮」の様相を示す秩序が、「私」の培ってきた美意識・世界観を壊していく。
かと思えば、ジャズ風の洒落たハーモニーと歌が「私」を煙に巻いたりもする。
前衛を超えた「始原主義」のようなものが作曲意図の根っ子にあるのではないか。宙に解き放たれた言葉と歌は、さて、「私」のどこに着地するのか。

この挑発的・刺激的な空間に呑み込まれていくのは新たな快感かもしれない、というのが、一聴した「私」の感想である。いわゆる合唱曲に飽きたらない方にお勧めです❗(-2025年7月29日記。「私」は「私の想定する常識的な私」というつもり。)

篠田昌伸 現代合唱作品集「街の衣のいちまい下の虹は蛇だ」
/篠田昌伸(曲) 野村喜和夫(テキスト)[NIKU-9038/ 299 MUSIC_ULTIMATE]