今朝方、<Sominium I>for Clarinet & Pianoforte という作品を書き上げた。と言っても今からかなり面倒な清書が残っている。タイトルはラテン語で夢の意。
一晩で複数の夢を見ることはどなたにもあると思うが、それらは互いに無関係であるようだし、夢を見た本人との因果関係も不明である。昨日こういうことがあったとか、こういうことを考えたとか、そのせいかもと思い当たることもあるが、全く思いあたらないことの方が多い。その意味でフロイト博士の夢判断は僕にはあまり信頼できない。第一、あんなに詳しく夢を記憶し、かつ語ることが出来るものだろうか。ドイツ語民族の記憶力はドイツ語の構造に依るのか。僕自身はほとんど作文ではないかと思っている。
さて、一晩に見た夢はパッチワークのようなもので、互いの連関・脈路はほとんど分からない。今回の曲で試みたのはそのような無関連のものがパッチワークのような時間の連続体を作る、というもの。もちろん音楽という事象のなかでの出来事なので、無関係なものが次から次へ登場する訳には行かない。が、限りなくそれに近いものを作ってみたかったのだ。僕にしては、あるいは僕としてはかなりクレージーな世界、のつもりだが、さて、どうなることか。
初演はこの12月の全音4人組コンサートの予定だったが、コロナのおかげで1年延期。乞うご期待、です。Cl.は板倉康明氏、Pno.は中川俊郎氏。スゴイ演奏になりそうです。
この11/10、舘野泉さんのコンサートで<夢の王国>ー左手ピアノのための四つのプレリュード の初演がオペラシティであります。舘野さんが僕の曲について思うところをプログラム用に綴ってくださった文章を読んで、感動してしまいました。以心伝心でしょうか。分かり合える音楽家との出会いは宝物です。