へルマン・ヘッセの「戦争の4年目」を以下のように訳してみた。
最後の一行、Die Liebe fort がちょっと悩ましかったが。
夕暮れ寒く 痛ましく
雨が音立て 降ってても
そんな時にも 歌うのだ
誰も聴いては いないけど
(第2節略)
そして最後の一行を
愛は消えぬ 愛は進む
としてみた。fortにfortfahrenのニュアンスがあると想像を膨らませてのこと。
Ich singe doch mein Lied in dieser Frist
ここでの歌はメタファとしての歌(自らの裡の叙情精神)かもしれないが、ヘッセがシューベルトを好きだったことがわかったので Am FeierabendとFrühlingstraumの一節を引用することにした。
いわば本文の僕の陰鬱風メロディとシューベルトの明るく美しいメロディは見事に対照をなすことになった。聴いた人にはシューベルトのメロディしか残らないかもしれない(笑)。
ここに記した原詩の二つの句を合唱が力強く歌うフレーズも挿入した。くっきりとしたリアリティーが感じられるように思ってのこと。
果たして目論見通りになるか、演奏が楽しみです。