『草枕』のこと

漱石の英語力は勿論のこと漢籍もただならぬものがうかがえ、わからない漢語・熟語が次々に登場する。
日本人の小説を読むのに1ページに何回も注解を引くというのはたぶん初めてのことだ。以外、分かりにくい漢語熟語を以下に拾ってみる。
最初のページは有名な「智に働けば角が立つ。情に棹さば流される。」で良い調子なのだが、2ページ目からいきなり来るのです。
「澆季溷濁」「尺縑」「羈絆」「掃蕩」とまあ、こんな具合です。
主人公の画工の思索はかくのごとき漢語を必要とするのである。
であれば英訳本の方が与し易いかもしれないと思ったりする。『The Three Corned World 』とはかなりの意訳だが、そうなるのかと受け取るしかない。
グレン・グールドが愛読したということだが、この英訳だろうか。
こちらも読了する自信はないが、チャレンジするのも良い経験になるか?ちなみにあらすじの英文は分かりやすい。さて、はて。